n次元空間における極座標
1. 2次元空間内における極座標
平面内の単位ベクトルは、必ず次のように描くことのできる実数を持つ。
但しは、軸から軸に向かっての角度であることを表現しているものであり、またこれにより定まる方向を仮想的な軸と宣言するものである。
2. 3次元空間内における極座標
なぜ1章で、わざわざなんてものを用意したのか。
それは3次元以上の空間における極座標を考えるとき、2次元平面内に持ち込んで考えることを可能にするためである。
立体内の単位ベクトルを考えよう。
まず平面内の角度をうまいこと考え、
点が平面に重なるようにする。
そして次に平面内の回転角度を考えればよいのだ。
平面についてのベクトルを考えるとき、
=
となるのだが、今回は空間についてのベクトルを考えなくてはいけないので、
をとでさらに表現しなおす必要がある。
つまり
ということだ。ここでとはの絶対値のことで、具体的にはである。
よって、空間についての単位ベクトルは
である。
3. 一般化してみよう。(n次元の場合)
2章で記述した、次に再掲する式を見てほしい。(但しは具体値を代入した。)
この式は、立体を、直線成分と平面成分の2成分からなるものと捉えることで、2次元極座標を3次元空間に持ち込んでいる様子を表現している。
同じ考え方は、4次元以降の空間にも適用可能である。
例えばによる次元空間上の単位ベクトルは、直線成分とによる次元空間成分の2成分からなるものと捉えれば、
とかける。
これは、次元を1つずつ減らしながら再帰している。
再帰代入を実行すると、次のようにかくことが出来る。
ただ、こういう書き方は正しくないので、ちゃんと書くと次の通り。
このベクトルの第成分は、
(1)のとき、
但し
(2)のとき、
但し
となる。